高齢者が困っていたら

杖をついた高齢の女性。


3段の階段の1段目を登れずに立ち止まっていた。


側には高齢の男性がおられた。


1人の女性が声を掛ける。


「お手伝いしましょうか?」みたいな感じで。


しかし、お二人とも断られる。


何度も繰り返される。


スロープあるんだけどね。


高齢の男性はお手伝いする気はなさそう。


自分で出来るようにさせたいのかな?


一応聞いてみる。


「抱えましょうか?」


断られる。


一緒におられた男性が「なんで良い方の足が上げられんのかわからん。ここまでも(10メートルもない距離)30分くらいかかった。」と何度も繰り返され、少し呆れ顔。


左足は1段目に置いてある。


右足が下にある。


あっ!そういうことか!


「右足が良い方の足ですか?」と聞いてみる。


「そう。右が良い方なんだけど、上がらないの。」と苦笑される。


自分で出来ると自信につながる!


「あの、階段は力を入れて踏み込まないと上がれないので、良い方の足を先に上げると上がりやすいと思いますよ。」と動作を見せながら、もっと丁寧に分かりやすく言ってみる。


「えっ!?良い足が先?」


「はい。階段は良い足が先です。」


手すりを両手で持ち悪い方の足を一段下げるのはスムーズ!


再度、両手で手すりを持ち、良い方の足を一段上へ上げると、悪い方の足はスムーズに上がる。


「そうです。そうです。」


そのまま階段を上がりきれた。


「上がれました。ありがとうございます。ご心配をおかけしました。」と初めに声を掛けられた女性と私にお礼を言われる。


「上がれて良かったです♡」と女性と私は安心する。


「良い方からですね!?」と確認をされる。


「はい。階段は良い方の足からの方が踏ん張れます。」と答えた。


迷惑をかけたくないという気持ちもわかる。


最初に苦笑されていた時のお顔は、申し訳なさそうで、どうしたらいいのかわからない困惑と自信がなくなってきたような表情に見えた。


最後に登れた時の笑顔は、晴々としていて、自信を取り戻したように見えた。


なんだか、こちらまで達成感を感じてしまいました。


知っているとできることも、知らないとできない。


手伝うことも優しさだが、見守ることも優しさ。


段々と出来なくなることが多くなると喪失感を味わいながら、自信もなくす。


そんな中、自分でできなかったことができると達成感とともに自信を取り戻す。


それは自尊心につながる。


若い人でも、子どもでも同じ。


手伝うか、見守るか。


どちらの優しさがいいのか。


同じ優しさなら、アドバイスで自分でできるようにするほうが、自信を持ち、自立につながると思うので、私はできるだけ見守りの方向でケアができるようにしたいな。と再確認した出来事でした。


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